2011-12-24 メリークリスマス②

20:30
今夜は、友達にクリスマスパティーに招待されている。
ウチまで迎えに来るといっていたが、1時間待っても来ない。
まぁ、そこはブルキナファソ
時間という概念なんか、有って無いようなもの。
(;一_一)
苦笑いを噛みしめながら、一向に進まないレポートと向きあう。

そう、今夜はクリスマスイブ。
ウチの町の教会でも、1年に1度の大きなお祭りがある。
その祭りをちょっとのぞいてみようと、自転車に乗って出かける。

いつもは暗くて寂しい道なのに、今夜は人通りが多い。
防犯パトロール憲兵隊もあちこちにいる。
お祭りの夜だからか…。
ちょっと、物々しさを感じられずにはいられなかった。

教会に近づくにつれて、寒いはずの夜の気温が少しずつ上がってきた。
自転車で坂道を登って、体温が上昇したからか…。
いや、きっとお祭りを盛り上げようとする人々の熱気からくるものだろう。
いつもは暗くて寂しい道。
でも、近づくにつれ、だんだんと電飾や屋台の明かりで明るくなってきた。


20:45
お祭りが始まる15分前に、教会に到着。
駐輪所には自転車を並べる係がいた。
だんだんと参加者が集まってきているが、会場の後ろの席はまだ空いていたのでなんとか座れた。
飲み友達のカリックスに出くわし、「おまえはカトリック信者か?」と笑顔で聞いてくる。
いつもの陽気さはなく、何となく真剣な面持ち。
彼だけではなく、ここに集まって来る人は正真正銘のカトリック信者の人たちばかり。
エセ信者の自分なんか、アウェーを感じている。

厳かな雰囲気の中、祭りが始まるのを無言で待つブルキナベたち。
1年に1度の大イベント。
敬虔な信者たちは、このすばらしい夜のために祈る。


21:00
急に係の人が、手を叩く。
入場制限が始まったようだ。
会場に入れなくて、出口付近にいた人たちを外に出している。
会場の椅子はすべて埋まってしまっている。
中にはすでに500人以上の参加者がいたが、外にも100人以上の立ち見の客がいた。

【お祭りの会場となった教会;昼間に撮った写真】

21:15
祭司が聖歌隊を引き連れて会場入りする。
いよいよ祭りの始まりだ。
その後ろから、さきほど外に追い出された何人かの人たちが、なし崩し的に乱入していた。
どこからか持ってきたのだろうか、長椅子を置いて、そこに乱入者たちが腰を下ろしていた。
祭りは歌から始まり、そして祭司のお言葉があって、その後また歌って、それが終わったら、また誰かが壇上で1年の締めくくりのあいさつをする。
そんな感じで祭りは延々と何時間も続く。

神のお祭りを、信者みんなで祝う。
これが、本当のクリスマスイブなのだと実感した。
35歳になるまで、本当の聖夜というのを知らないでいた。
何となくのイメージを持っていたが、体感したのは初めてだった。
彼らにとって、この日がきっと1年の総決算にあたる。
自分も今年を振り返り、東北大震災で被災された人たちを想い祈った。
今日だけ手を合わさず、十字をきって祈った。
「…エセのくせに」とココロの中の自分が苦笑いを噛みしめている。

会場の外には、お祭りの屋台が所せましと並んでいた。
日本のような派手な電飾はないが、たくさんの人が集まりにぎやかだ
祭りに乗じて悪ガキどもがカンシャク玉を鳴らしていた。
街中もココロの中も、騒々しい。

なんていう聖夜だろう。